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2005年3月 9日 (水)

モノマネとコピーの差

そもそも僕らは日本人だ。
だから、僕らのバンド『The SELTAEB』をビートルズ完全コピーバンドなどと旗揚げしたところで青い目をした金髪の人たちには逆立ちしたって敵わない。
と。思っていた。一時期。

だからせめて声色だけでも似せようと。最初からルックス面でハンデを負っているならば。
特にジョンの声はエッヂの利いたよく切れるナイフのような声だ。僕とは到底似ても似つかない。だから無理をした。結果思うように歌えなくなった。


僕らのバンドは、聴きに来て下さった方からよくこう言われる。「コーラスが美しい」と。
勿論僕らは練習やライブの時にその部分にも大きな力を注いでいるから、それなりにそこを大きな評価をされて非常に有り難いことと思う。トレーニングに対する正当な評価として。

だが、僕らはビートルズのコピーバンドなのだ。
あらゆる分野で世界をひっくり返すほどのパワーを持ったバンドの。
そしてその力の源となったものは…純粋なロックンロールなのだ。

ビートルズはメジャーデビューする時にブライアンエプスタインにより革ジャンからスーツに着替えさせられた。しかし中身は何も変わっていなかった。
まるで刺青の様にこっそり革ジャンを着込んでいたのだ。スーツの下に。
また例えばジョンのリッケンバッカーを肩から吊るしていた"パイソンストラップ"もそうに違いない。
当時の洗練されたスーツ姿にはおよそ似つかわしくない無骨でメタリックなものをジョンは敢えてVOXに特注したという。
「スーツなんて着ちゃいるが俺達はロックンローラーなんだぜ」なんてクールに言い放つジョンの声が聞こえてきそうだ。

しかし欲しいな…パイソンストラップ。めちゃカッコエエ。何処で手に入るんだろう。肩から吊るした時に「ジャラッ」って感じがするんだろうな。あ~欲しい。今すぐ。
(たけスンはさぁ…随分前にどっかの楽器屋で見かけたけど次行ったらもう無かったよ、と。しれ~っと言ってた。たけスンよそういう時はお願い買っといて…(T_T)


ロックンロール。 ロック。
その部分こそが、ビートルズの根底にある最もビートルズらしい部分を形成するものだと僕は思うのだ。それはビートルズの初期から後期全てを通して。
ならば其処こそがコピーの肝心なのではないか。真似ではなく、コピーするという意味の。
ダサい言い方だけどロック魂。

そうであるならば、肝心のロックの魂には触れられず表面的なコーラスを評価されることに満足しているコピーバンドなど思い上がりも甚だしく自己に酔い浮かれているだけで全くの論外だ。
クラッシックじゃあるまいし。ビートルズのライブ中に目を閉じて聴かせちゃアカンちゅうねん…。
ライブって真面目でストイックな俺達が唯一暴発できる場所だろ?暴発して、その上で演奏も高い評価を受けたいよな!そんなライブがやりたいよな!!

日本の「ビートルズ・コピー・バンド界」(んなモノがあるのか??^^)などという狭い世界の中で、一定の評価をされ続けることに固執する…そんなことなど考えてみれば小さいことだ。何が怖いというのか。
壊したい。バンドにこびり付いたこのイメージを。打ち壊したい。


声色の話に戻るけど、無理してジョンのように歌おうとしてた時は自分を見失いそうになった。物真似することにのみ意識が集中してた。
それが出来れば出来たに越した事はないが、ある人から「そんなん止めて自分が本来出しやすい声に戻したら?」と言われその通りにしてみた。結果とても楽に歌えた。自然に。
で、ライブの後に「戻してみたけどどうだった?」と聞いたら「うん。今日はビートルズだった」と。
これはどういうことだろう。


やっぱり物真似とコピーは違うのだ。

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コメント

これは僕の師匠が教えてくれたことですが、「コピーとはその曲を作った人、演奏していた人が、何を伝えたくて表現したかったかを自分の言葉で再現すること。たとえばモノマネの世界でも、すばらしい芸人は本物と純粋に全く同じではなく、その芸人の味付けが加わっている。違うんだけど似ているし素晴らしい。」だそうです。

つまり上っ面の「皮」でなく、本質「魂」を再現することなんだと思いました。結果、その方がビートルズに見えるし聴こえる伝わる。

投稿: ひいくん・☆ | 2005年12月14日 (水) 09:36

もう一つ。
こちらは僕が尊敬するリンゴ役「あんちゃん」が教えてくれたことです。

リンゴに見せたいなら、リンゴそのまんまでなく、リンゴの持ち味や特徴を理解して、その部分を強調してやること。リンゴはそんなことしてないよ!と思っても、大袈裟にやること。それが、ものまねの基本。

ドラム師匠とは別の角度から捉えた考えですが、本質はつながってると思います。

あんちゃん師匠は、ビートルズバンドにモノマネ要素は重要であると認めている方だと思います。モノマネ要素のことを「パフォーマンス」と呼んで日々研究してみえます。

ビートルズコピーをただのロックバンドでない「音楽+パフォーマンスの結集」として捉えています。つまり音楽的な部分にパフォーマンス(ものまね要素)をしっかり絡めて、ビートルズ再現ショウとしてお客さんに喜んでもらおうとやっているようです。

動きや衣装もですが、カラーコンタクトで青い目にして、リンゴと同じ指輪まで特注で作ってつけます。ステージを降りてもお客さんにはリンゴを演じきります。素晴らしいパフォーマーですよね。

投稿: ひいくん・☆ | 2005年12月14日 (水) 09:52

ひいくん。
沢山のコメントの嵐^^ありがとうございます。荒らしかと思っちゃいました^^

そうですね、全く同感です。
実は何を隠そう僕はモノマネ番組が大好きで(かと言ってするのが好きなわけじゃありませんが)、時間の許す限り視聴しています。
まあそれはやはり基本的に芸ですから、笑いを取るためにされる方が殆どなのですが、中には思わず引き込まれ、感動すら覚えるものが多くあります。
そこまで行くと完全に芸術の域です。

ですからモノマネは否定すべきものではなく、むしろ追求すべき事なのかもしれませんね。
ただ履き違えるとお笑い(冷笑や嘲笑も当然含まれます)になってしまうから難しいんですよね。

投稿: レノすけ | 2005年12月14日 (水) 12:39

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