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2005年4月21日 (木)

海賊盤考

15年位前のこと。

仕事帰りに栄のセントラルパーク地下街の新星堂にはしょっちゅう顔を出していた。
それには大きな理由があった。お店の一番奥まった所にお目当てのものが常に陳列してあったからだ。
お目当てのものとは…
ビートルズの海賊盤(^^)

例えば、コレ(^^)↓
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言葉の定義を念の為辞書で引いてみた。

海賊盤
海賊版のうち、特にレコード・ CD ・テープ・ビデオなど音楽にかかわるもの。ブートレッグ。

…うん。それは分かってるよ(^^)
でも…なんで海賊なん??海賊ときたらカリブの海賊がすぐ浮かぶがね。うん、アレ何回見ても飽きないな(^^)レストランの雰囲気も好きだ(^^)

まいいや。で海賊盤です。特にビートルズの。
ライブ録音のものは除きます。スタジオ版です。
その当時は当然、アンソロジーなど存在していませんでした。
一般的に手に入れられるものとしては正規盤のEMIのオフィシャルのみ。


関係ないけど僕はCDプレーヤーを導入するのが世間と比べて非常に遅かったんです。
新しモン好きの割にはちょっと偏屈で。もうちょっと待ったら安くなるだろうなるだろうと思いつつ。
当時の新譜はCDとLPが併せて発売されてましたから。CDプレーヤーなど無くても充分新譜を満喫できた。
でも遂にCDしか発売されなくなってようやく導入に踏み切ったのです。
もともと面倒臭がりだから、レコードプレーヤーの針交換やノイズが気に入らなかった僕としては買っちゃえばもうコッチのもん(^^)
だからそれまでの鬱憤を晴らすが如くCDを買い漁る生活に突入したのです。

それでまずはビートルズの中でも好きだった後期を揃え、そして当時ハマっていたブルース関連へ。中でもアコギ一本で演るカントリーブルースが大好きだったからロバートジョンソン、サンハウス、ビックビルブルーンジー、ライトニンホプキンス…あぁディープな世界へと。…ブルースについては本題から外れますからまたの機会に^^


ビートルズの音源は正規のものしか流通していないと思い込んでいたから、偶然そのブート群を発見した時の衝撃はかなりのものでした。
しかもお店の方も分からないようにわざと手書きの背見出しなんかつけて目立たないようにコッソリ並べてるんです。
手にとってレーベルを見てみると見たり聞いたこともないようなヘンチクリンなもの。明らかに怪しい。でもメチャ興味がある。
だってストロベリーフィールズなんかが8ヴァージョンぐらいクレジットされているんだもの。んー。え?コレどういう意味なん??
当時多重録音マニアだった僕。ピンときた。は~コレが噂に聞く海賊盤なのだな。
こいつの中にはレコーディング途中のミステイクやら未完成ヴァージョンが間違いなくギッシリ収録されているに違いない。
中一の時にFMで聴いたオーダーリンでポールが喉を潰してヘロヘロになって歌っているあの音源にいつか出会えるかもしれないぞ。その時録音してなかったことをどれほど悔やんだことか。
それが分かったら居ても立ってもいられなくなりまずは一枚を手に取り値段も見ずにレジへ。

「¥4,600になります」…げ!そんなにするの??二枚組じゃないんだぞ?正規盤じゃないからってボったくってんじゃないの?あ…千円足りない。まーいっかカードで。
そいでポイントカードと一緒にカードを出したら「あ、こちらポイント対象外となっております」って。
お~そうきたか。さすが海賊盤(^^)

足取りも軽く家に帰って、プレーヤーに挿入した瞬間に…僕のブートジャンキーとしての生活は幕を開けたのでした。
振り返ってみると本当に随分つぎこみました。
だからアンソロジーが発売された時は、収録曲の殆どが耳タコ状態のものばかりでした(^^;)でも迷わず買っちゃったのね。だってフリーアズアバードがまず聴きたかったんだもの(^^)


で…そろそろ纏めないと^^;


件の海賊盤ですけど。

これは様々な楽しみ方があります。
冒頭で除外したライブ盤ならライブ演奏のネタに出来たり、僕のようにレコーディングの研究・勉強に使う目的があるならいいけど、そうでない場合は出来る事なら手を出すべきものじゃないと思います。
純粋なビートルズファンならば、正規盤(当然アンソロジーは含まれます)だけで充分過ぎます。
正式にプロデュースされた以外のものを聴くのは本来ルール違反です。

ビートルズの海賊盤には魔力があります。
ですがそれは当然の如くビートルズにより承認されたものではありませんし、故に厳選された音源などとは程遠い。だから殆どがゴミ音源です。
必死こいてヘッドホンでブートを聴いている姿をジョンに見つかったりするシチュエーションを想像してみて下さい。有無を言わずジョンに尻を蹴り上げられるでしょうね(^^) そんな姿は本当に不健康っぽいしカッコ悪いですよ。
ビートルズの海賊盤とは、ビートルズとは全く関係のない誰かが音源を勝手に持ち出して、金儲けの道具として利用しているだけなのです。
あ、だから海賊なのか~(^^)

大体ヴァージョン違いとかミックス違いとかいうものも、それが音楽という意味ではたいした価値はありません。
例えば正規盤に記録されているうわもののオーヴァーダブが一つ足りないだけの未完成の曲を聴いて楽しい筈がないでしょう。
正規盤でも存在するけど、ミックスの違いでそれがステレオヴァージョンなのかモノラルなのか、またエンディングのフェイドアウトが何秒長いとか短いとか。
そんな違いなどはっきり言って音楽とは無関係。枝葉ですよね。幹じゃない。


海賊盤で唯一聴いて良かったと思えるものは、自宅で録音されたアコギ一本のデモだけです。
ビートルズの凄さを痛感します。だってギター一本だけで曲のアレンジから構成まで、殆ど出来上がっているんですもの。


ビートルズの曲の中で、僕が一番好きなのは「ディアプルーデンス」。
このデモを、随分つぎこんだ挙句手に入れた海賊盤の中で、幽玄な声で歌うジョンの弾き語りで聴けた時のあの感動は今でもすぐに蘇ってきます。
こういう音源を聴いてしまうと、ビートルズは、いや、ジョンは。やっぱり天才と思います。

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