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2005年4月27日 (水)

ジョンとジョージに捧ぐ

上田正樹さんの話を聞く機会があった。
二月ほど前のこと。

日本の、いやアジアを代表するブルース&ソウルシンガー。ベタな振りですが『悲しい色やね』が有名。
生い立ちから、今の活動に至るまで、上田さんの半生を事細かく詳細に且つ軽妙な関西弁で(^^)語って下さった。

話の途中、思わず吹き出してしまった箇所。
外国に行く機会が多いから、当然外国の友達も増える。
上田さんも英語は堪能なんだけど、友達の方も一生懸命日本語を勉強して、日本語での会話を希望されることも多いと。
で、ある友達が「どうしてもわからないことがあるのです。それは色のことなのです」と上田さんに質問を。
「なに?どんな色のことなの…?(悲しい色のことか?)」
「はい。日本の家の屋根はそんなに悲しい色なのですか?」
…あちゃ、すべった^^;やっぱ関西弁で聞かなきゃダメか~難しいな~^^


上田さんが音楽の道を歩み始めたきっかけというものも話して下さった。
それは、高校生の時。
学校をサボってアニマルズのコンサートに出かけ、初めて行ったコンサートで心細かったのにも関わらず、気がついたら最前列に来ていた。
熱狂する観衆がステージ際に押し寄せる中、上田さんもその坩堝に揉まれていた。
そして…ヴォーカルの人がステージの際まで歩み寄ってきて、他の誰でもなく、ただ一人、高校生の上田さんの手をとったのだと。
その瞬間に文字通り全身に電流が走り「俺の道はこれだ」とその瞬間に確信したのだと。


講演会場にはグランドピアノが備え付けられていた。
(せっかくあるんだからそれで歌ってくれたら最高なのにな)と思っていた願いが通じたかどうかはさておき^^…歌ってくれました。
しかも3曲も!タダで!!なんてラッキーな(^o^)

まずは有名な前述の『悲しい色やね』。そして話の途中に何度も出てきたビートルズを!なかんずくジョンの歌を!歌ってくれたのです。ピアノ弾き語りで!勿論生です。
ビートルズの『ヘルプ』そしてジョンのソロ『イマジン』。

上田さんの『ヘルプ』は凄い。
前に一度テレビで聴いたことがあります。そっくりそのまま演ってくれました。
コード進行なんか全く違うの。うっかりするとヘルプに聴こえない^^;


上田さんの声は本当に個性に満ち溢れている。
どんな歌を歌っても、全て自分のものにしてしまう。

上田さんはやっぱり世界にいる人であり、プロの中のプロだ。
ご自身が今実現しようとしている一番近い夢を語って下さった。
その夢とは。「アジアからグラミーを獲るアーティストを創出する」ことだと。そしてそれは近い将来必ず実現すると。もの凄い才能を持った若いアーティストがこのアジアには沢山いるんだって。


その後、『イマジン』。
ブルージィに響き渡るピアノのイントロ。途中、英語で何か囁く様にして歌に入っていった。
歌の歌詞は勿論解る。だが僕は英語が喋れない。イコール、ヒアリングが出来ない。
残念なことに、間奏の時に上田さんが囁く英語の言葉が聞き取れない。だから本当の意味が解らない。

だけど、一箇所だけハッキリ聴こえた部分がある。英語そのものは解らないのだけれど、それは心に響いてきたのだ。
それはイマジンのエンディング。
上田さんは、間違いなくこう言ったのだ。
「この歌を、天国にいるジョンそしてジョージに捧げます。それが僕のハートです」と。
僕は不覚にも涙が頬を伝わり落ちてしまった。

そして心から思ったのだ。
音楽に一番大切なものとは、いや、音楽に限らず人に何かを伝えようとする時に一番大切なものとは。
それはハートなのだ。
言葉にするのは容易い。
でも、それを本当に行いたい時、その人が燃やし続けている情熱の温度がそれを決めるのだ。


講演が終わったあと、サイン会となった。
上田さんの書かれた本、『Believe』を買えば即それにサインをしてくれると^^
やっぱりタダじゃなかった^^
でもいいや。だって感激したんだもん。
そいで長蛇の列に並んださ。
順番待ちをしている時、係の人が紙と鉛筆を持ってきた。「上田さんがすぐサインできるように、ここにお名前を書いて下さい」

受け取って、暫く考えた。で書いちゃった。
「三重県のジョン・レノン 山本大介」(^^)
我ながら何と図々しい(^^)

ドキドキしながら順番待ちした。前の人たちは一人づつ名前入りのサインを貰い、はしゃいでいた。そのへんは上田さんもプロ。営業スマイル(^^)
そして…遂に僕の番になった。
紙をそっと手渡す。受け取った上田さんは一瞬固まり、そして顔を上げた。
「お!三重県のジョンレノンか!」
僕はぶっちゃけ泣きそうになりました。恥ずかしさと、何より上田さんのその声のあまりの大きさに。

もぅこうなったらなるようになれだ。「はい!そうです!今度イマジンピアノで歌います!」
大いに上田さんは喜んでくれたようだった。
「そうか、頑張れよ。うん?君、何処となく俺に似てるな~きっと歳とったら俺みたいになるぞ」
完全に涙目になった僕を上田さんは優しく見つめ、そして…あろうことか僕の肩を抱いてくれたのだ。
紛れもなく、それは上田さんが高校生の時に感じたあの出来事を、今度は上田さんご自身が体現しようとしているのだとその瞬間に僕は理解した。

そう、僕にも間違いなく電流が流れたのだ。


僕は、力も何も無いけれど、一歩でも上田さんに近づきたい。
せめて、ビートルズに対する想いだけでも。

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