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2005年5月30日 (月)

カミミュズ=???

仕事で栄から地下鉄に乗る機会があった。
地下鉄名城線。終点の名古屋港へ行く用事。

桜通線は割とよく乗るけど名城線はホントに久しぶりだ。
以前僕は当時の自宅の最寄駅である築地口から栄まで毎日毎日地下鉄に乗っていた。
もうかなり前になる。高校時分の頃を含めると…20年以上前。大昔だな。
まだ地下鉄が黄色い電車だった頃。その頃の名城線は(東山線もそうだったけど)シートはブカブカでクッションが良いのか悪いのかわからない状態だったんだ^^今で言う低反発枕みたいなものかな?座ると頭の位置がかなり低いところまで来るんだ。


その日、僕はセントラルパークを南に向って降りたすぐのところで切符を買おうとしていた。
切符売り場ではちょうど外人さんが同じように切符を買おうとしているところだった。名古屋でそれは別に珍しくもない光景。桑名だったらちょっと目立つけど^^
で僕がその外人さんの後ろに並ぶと、慌てたように彼は僕に列を譲った。
チラッと横目で見るとまだ若い。見た感じ学生さんのようだ。
どこの国の人だろう。黒人さんを見るとみんなアフリカ人に見えるのは偏見かな?偏見だろうな。
それにしても背が高いな。190くらいあるんじゃないか。

で。名古屋港までの切符を買って、改札口に向おうとするとその外人さん(面倒だから以下アーノルド)に呼び止められた。
「アーアノスミマセン!」
僕は韓国語は得意だが英語はちょっと自信がない。だけど振り向きざまに僕はこう答えた。「Yes?」
…とっさに出る時は出ますよ。日本人でも。僕でも。イエスぐらいはね。でも一瞬心臓がバクンと言った。

「カミミュズ、ドコデスカ」と訊くアーノルド。メモを片手にどこか不安げな表情。目が潤んでいる。僕も潤んできた。
どうやら路線図と睨めっこした挙句行きたい駅が発見できなかった様子だ。
(カミミュズってなんだ?)と思いつつ彼が差し出したメモをよく見てみる。汚い字だなこりゃ。字かこりゃ。

メモを彼が指差す先には『KAMIMAEZU』とあった。「カ、ミ、マ…ああ上前津?」
「Yes!カミマエズ」アーノルドの顔がぱっと明るくなった(^^)つられて僕も笑顔。…ちょと引き攣ってたけどね^^;
「This. Here...」僕が路線図を指差すと彼は指先を目で追った。「Two hundred Yen」
「オーイエス!」通じた!やったぞ!
待ってる僕を横目にそそくさと上前津までの切符を買ったアーノルドは、手に取った切符を見せてニコッと笑顔を見せてくれた。

折角だから案内してあげよう。どのみち通り道だし。
一緒に改札を通って、自信たっぷりに金山行きの方にエスコートしてあげた。
「This, here」(しかし俺これバカの一つ覚えみたい^^;文法的にはどうなんだ?^^)
でも頷いて着いて来るアーノルド。よし。いい雰囲気。僕を信頼しきっている様子。かわいく思えてきた。
でウケ狙いで思いきって言ってみた。「コッチ!」・・・受けた^^


電車を待つ間。
少し会話を。やっぱり今の時代グローバルに生きないと。
「Where are you come from?」お決まりの文句を言ってみた。
「エクアドル」・・・と言ってるように聞こえた。もしかしたら「エマニエル」だったかもしれない。
何しろザワザワした地下鉄の構内だ。いくら僕のヒアリング力を持ってしても聞き取れないものは聞き取れない。
エクアドルってアフリカか?南米じゃなかったっけ。黒人さんはいるのかな?どちらにしても二度も訊けないし。ましてや「Excuse me pardon?」なんてとても恥ずかしくて言えないし。
仕方なく僕は解ったような振りをしてはにかみ笑いをして頷いた。

地下鉄に乗り込んで、ドアの上に掲示してある路線図を指差してまた説明。こうなったら一方通行でも構わない。
「Next,Yabacho. and next...Kamimaezu」
「uhn」 いい感じだ。
調子に乗って懲りずに訊いてみた。「Why? You come Japan?」…なんだその英語!でも通じたみたいだ。「EXPO」ニカッと答えるアーノルド。
あーなるほどそーゆーことね。万博を見た帰りなんだ。で上前津に友達のアパートかなんかがあるんだ、きっと。さっきの汚い字はその友達の字なんだ。間違いない。
・・・と思ってもそれを表現する術が僕にはない。でも何とか伝えたいな。この想いを。うーん。

でもダメだな。日本語で考えて頭の中で英語に直して。それじゃ遅いんだよな。英語で考えないと。っていう間に文を考えているうちにやっぱり沈黙してしまう。
伝えたいって言う情熱が道を切り開いて行くんや・・・って何かのCMであったな。ホントにその通りだな。
俺、情熱だけはあるんだよ。


そうこうしているうちにあっという間に上前津に到着してしまった。お別れの時だ。
短時間ではあったけれど、僕は国際貢献をしたことになるんだよね?いいよね?アーノルド。そう思っても。
だから今度は僕の方からお別れの挨拶をした。
「Have a nice...nice...stay Japan!」
「Have a nice day!Thank you!!」
ペコッと頭を下げて、そしてアーノルドは電車を降りていった。


電車のドアが閉まるとき、振り返りながらアーノルドが手を振るのが見えた。
僕も、小さく手を振った。

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