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2005年5月12日 (木)

秋の日

磧づたひの 竝樹の 蔭に
秋は 美し 女の 瞼
泣きも いでなん 空の 潤み
昔の 馬の 蹄の 音よ

長の 年月 疲れの ために
国道 いゆけば 秋は 身に沁む
なんでも ないてば なんでも ないに
木履の 音さへ 身に沁みる

陽は今 磧の 半分に 射し
流れを 無形の 筏は とほる
野原は 向ふで 伏せつて ゐるが 

連れだつ 友の お道化た 調子も
不思議に 空気に 溶け 込んで
秋は 案じる くちびる 結んで

 詩 中原中也


中学の時の国語の教科書で、初めて中原中也の詩に触れた。
当時、僕は自分のオリジナルソングを書くことに取り組み始めた頃だった。必死になって自分の言葉を探してた。

当時(もちろん今も)こよなく愛し、そして聴き込んでいたさださんの詩は心から凄いと思った。どうしたらこんなに凄い詩を書けるのだろうと。
だからさださんの詩を研究もした。そんな時、さださん自身の言葉から北原白秋の影響を大きく受けていることを初めて知った。
そして、中原中也の詩も、きっと読んでるんだと確信した。

普段通りの国語の授業中、出し抜けに中原中也のこの詩と出会った。
物凄い衝撃を受けた。
明らかに異彩を放っていた。その頁だけが。
授業はあっさりしたものだった。その後試験にも取り上げられなかった。
先生はどうかしている、なんでもっと深くここを掘り下げてくれないんだ。
こんなに、なんていったらいいのかわからないけれど…凄い詩なのに。

宮沢賢治の詩を受け入れることが出来なかった僕は、中原中也の(敢えて言うなら音楽的な)詩の、そして特にこの「秋の日」という詩の虜になってしまった。


書店で角川文庫版の中原中也詩集を買った。
教科書で取り上げられてた同じ詩の頁を慌てて探した。
何度も、何度も読み返した。


今の時代に、中也は生きていられるだろうか。
中也のような人は、生きているだろうか。


 なんでも ないてば なんでも ないに


職場から一人帰るとき。ふと呟いてしまう時がある。
セピア色の写真の中也の目に、涙が一杯溜まっているように見える。

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コメント

この間山口にある「中原中也記念館」行ってきました^^ヾ

いろいろ思うこと多々あり。。。。。

詩はとても好きだけどそばにいたらこんなヤツいやかもなぁ。。。。。
啄木もそうだけど(笑)
そばにいたら殴りたくなるかも。。。。

中也の写真はスーツ着てても目が潤んでました

今と違ってこの時代の人って「宗教」を抜きには考えられないんじゃないでしょうか?

宮沢賢治の仏教もそうだし 中也はキリスト教と仏教の間にいたし 現代人の感覚とはちょっと違うかも。。。。

中也は早逝したせいか 記念館にもあまり品物は残っていませんでした

室生犀星の生家(今は中も見られます)には写真でいつもかぶっていた帽子が展示してあり大感激しましたが中也記念館に「あの帽子」はありませんでした 残念
(犀星記念館にある帽子はレプリカ)

投稿: ともも | 2005年5月13日 (金) 10:45

たしかに^^ 中也のような存在は身近にいる人には疎ましいかも^^
現代人とは感覚が違う…のかな。確かに時代背景は違うけど。感覚というか感性そのものは普遍性があると思います。


しかしとももさん行動範囲広いですね。
僕なんかまだジョンレノンミュージアムすら行けてないのに^^
いつもアレですか、ずっと以前から計画を立てて実行に移すのでしょうか。それとも思い立ったら即行動?
チビが大きくなったら色々連れて行ってあげたいな^^

投稿: レノすけ | 2005年5月14日 (土) 17:12

子どもも手を離れてやっと最近自分の行きたいところにいけるようになりました

それとぉ。。。子育て中は専業主婦でしたが最近ちゃんと仕事をしているので自分のために使える時間とお金がやっとできた。。。ってところかな

苦節20年の結果 今があります(笑)

それはそれとして。。。。
ジョンレノンミュージアムは。。。。
あのリッケン見るだけで価値はあると思います

あのリッケンで泣いて
それから。。。。初期の衣装で着た後のしわがそのままだったんですよ
たたみじわではなくて肩のあたりのしわがね。。。

後ニューヨークシティのTシャツね
袖取ってるじゃでしょ
あの切り取った部分とかね

期間限定でしたが
ジョンがこの世からいなくなったときの ミルク&ハニーのジャケットのあの血まみれの眼鏡

泣きました

投稿: ともも | 2005年5月14日 (土) 23:38

ああ、行かないと(T_T)
早く見に行きたいです。
そして本物から伝わってくるものを早く感じたい。

投稿: レノすけ | 2005年5月15日 (日) 01:09

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