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2005年11月 7日 (月)

前夜

ちょうど会社を出たところに妻から電話がかかってくる。

情報を聞く。答えは『12時間前』だった。
だがそれ以上に追加の重大な情報があるという。
「それはエライことか?」と僕は訊く。
「かなりエライことだよ」妻は答える。


僕の人生二度目の出来事が、明日ある。一大イベントだ。
一度目は、初めてその権利を得た3年前に行なった。
それに備えて今日は早く休むことにする。当然、仕事も休む。
まあそれは僕の都合だけだからどうでも良いけれど。


今日、仕事中に職場を抜け出し家にいる妻に電話した。
今のうちに確認しておかなければならないことがあったからだ。
忙しさにかまけてロクに資料を確認せずにイベントの前日を迎えてしまったのである。
子供が悪戯するといけないと思い冷蔵庫の上に僕はその袋をを置きっぱなしにしていたのだ。

僕の知りたい情報はただひとつであった。
「今夜は何時から断食をしなければならないのか」
それが『12時間前』だった。逆算すると時間的には21時以降断食である。
別に僕はイスラム系のラマダンを実践しているわけではない。
ただこのイベントに断食はつきものなのだ。

しかし追加の情報は僕に衝撃を与えた。確かにエライことだった。
まさか今朝の分まで採らなければならなかったとは。


注意事項にはこうあった。
『当日の朝の分と、前日(前々日でも可)の二日分のものを持参して来て下さい。前日採取したものは冷所に保存して下さい』 と。
「二日法」というものがあるとは想像だにしていなかった。迂闊であった。
てっきり、当日の朝の分で事足りると高を括っていたのだ。
これこそまさに後悔先に立たず である。

どうするのだ。
子供のもので誤魔化すか。アホな。
言い訳としては幾らでもある。出張に行っていて採取できなかったとすれば良い。
しかしちょっと待て。『前日』であれば良いとあるぞ。
ということは極端な話前日であれば23時59分のものでも良いわけだ。
いや待てそれよりこれはあくまで自己申告によるものだ。となると当日朝の分を二つに割り振っても何ら問題は無いのかも知れぬ。
いや待て待てそれではまるで本末転倒だ。数字合わせの問題回避に過ぎぬ。そんなんでまともな数値が出るはずが無い。
もはや今朝のものはもう今更取り戻せない。だとすれば今この瞬間からが勝負である。
やはり今からなるべく早い時間に頑張るしかないのだ。
前日分を、採るのだ。


僕は元来緩い方だ。
しかしその気配すらない時にどうやってそれに及ぶことが出来ようか。

お茶を飲む。効果なし。
叩いてみたりする。効果なし。
でハタと気づく。牛乳だ。通常これが僕には最も即効性のあるものなのだ。
早速、試す。しかし効果なし。
こればかりは直ぐにどうなるものではない。
当たり前である。
普通こんな変な時間に自主的に何をどうこうしようと思っても到底無理なものは無理な話である。


だが。やっとのことで。
出る気配のない時でも僕は結果を叩き出すことが出来た。
いや、搾り出したというべきか。
達成感は、まるでない。

後はまあ、明日を迎えるだけである。

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