ねじまき鳥クロニクル
余計な書評などは目にしたくもない。予備知識も要らない。
いま、僕はこれを読んでいる最中なのだ。しかも、久しぶりに読む村上作品なのである。
過去一時、僕はヤバいと思った。このまま行くと僕は完全に村上中毒となってしまう。
片っ端から村上作品を全て読み漁り、新作を待つしか道は残されておらずこの先もう読むものが無い程に飢え切ってしまうことを恐れたのである。だから自制した。そんなことは耐えられなさそうだ。ひとまず冷却期間を置いて他へ行こう。うんそうしよう。でそうした。
でもうそろそろいいかなとちょっと戻ってみたのである。そして手にしたのがこれである。
いつも書店で背表紙と裏書きだけを眺め、決して頁を開けなかったこの作品。文庫で3分冊になっている。何故「海辺のカフカ」のように上下じゃなく3部なのだろう。きっと意味があるのだろう。
そしてまた、その語り口は「僕」であるのだろう。
そして僕は今、何処までも非現実的であるにも関わらず余りにもリアルなその文章にまたしても、ヤラレてしまっているのである。
村上春樹氏の作品は、僕に大きな、そして圧倒的な影響をいつも与えてくれるのである。
そしてそれは間違いなく僕の中の何か深い部分に作用し、だから普段思い出しもしなかったことや忘れ果ててしまっているものを強烈に思い出させるのである。
「ノルウェイの森」を読むと鬱になる という書評を目にした事がある。
幸い僕は大丈夫だったが、ある種の環境下である種の読み方をすると確かにそれはありえない話ではないなと思ってしまう。村上さんの作品はそれ程に、読み手の何かを揺さぶるのである。
とりあえず僕は、もっと、揺さぶられたいと思っている。
この時点で僕はもう既に、完全なジャンキーなのかも知れない。
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コメント
「ノルウェイの森」大好きですよ。
ちょうど18歳のときに出会ったのだけど、衝撃でした。
最初に出た本と、全集として出た本の2種類持ってます。
投稿: ひいくん・☆ | 2006年4月 1日 (土) 10:14
ひいくん、スゴイ。それ、立派なマニアじゃないですか^^
是非とも村上春樹作品について語り合いましょうぞ。
でも僕がまだ読んでないものに関してはネタばらし無しね^^
投稿: レノすけ | 2006年4月 1日 (土) 17:00
村上春樹は「風の歌を聴け」から読んでいましたが、
もう15年前のファンなので...内容を忘れました(^_^;
投稿: ひいくん・☆ | 2006年4月 1日 (土) 23:56
なるほど^^
ひいくんは、結構本を読まれる方なんですか?
かくいう僕は本の虫なんですが、実を言うと一時期小説というものに対して非常に懐疑的なところがあったんです。所詮は人間の考え出した作り話に過ぎない だからノンフィクション以外は読む価値がない と。
確かに、一部の作家の中には到底読むに値しないものも存在します。
でも本当に才能のある作家の作品(それはストーリーテラーとして、また魅力的な文章を紡ぐ執筆者として)は、読んで然るべきとある時から思い直したんです。
そんな中でも村上さんの作品は、僕の好みと言うか琴線に触りまくるので今や、熱狂的なファンの一人となった次第なのです。
投稿: レノすけ | 2006年4月 2日 (日) 00:50
本をよく読む人だった(過去形)です。
ブログにも書いたりしてるけど、僕は映画と本を愛する内向的な青年でした。とてもバンドなんてできる人じゃなかったです。でも冒険?脱皮しました。
投稿: ひいくん・☆ | 2006年4月 4日 (火) 00:59
冒険・脱皮。
日々前進 ですね!
自分の人生ですもの。人生を劇に例えるなら、自分が脚本家として自分の思い通りに脚本を創り、そしてそれを主人公の自分が名優として演ずる。
自分の人生の脚本は、絶対に誰か他の人に書いて貰えないし、そして書かせてはならないものだと思います。
全部、自分が創るものですもの。
投稿: レノすけ | 2006年4月 5日 (水) 23:32
>僕はヤバいと思った。
>このまま行くと僕は完全に村上中毒となっ てしまう。
>とりあえず僕は、もっと、揺さぶられたい と思っている。
レノすけさん こんばんは。
私も 今 ある本の著者に 全く同じ感情を抱いてます。
あまりの ヤバさに 本が開けなくなってしまったのです。緊張する・・・。読みたいけど なんかもったいないような、読み始めたら世界に入り込んでしまう。ハマりきってしまう・・・などと。
不思議なもんですね。
村上作品に限らずですが、有名な本って あんまり読んだことないんです。
最近 本が急に好きになったもんだから。
売れる本っていうのは やはり 人を惹きつける魅力があるのでしょうね。
投稿: ゆうちこ | 2006年4月 6日 (木) 22:24
ゆうちこさん、こんばんは。
そうですか^^
そのお気持ち、よーく、解ります^^
差し支えなければ教えて戴けませんか?何を読まれているのか。
本って不思議なもので、それは出会いだと思うんです。
その時期その時その気持ちの時にその本に出会えなかったら、きっとその先出会えないものなのじゃないか と思う時があるんです。
だから偶然に見えて、実はそうじゃない のじゃないかと。
自分史の中に、一生懸命読んだ本は必ず残ります。
だから僕は本を読むことが何よりも好きなんです。
あと、ゆうちこさんのサイト、勝手ながらリンクさせて戴きました。
投稿: レノすけ | 2006年4月 7日 (金) 00:43
レノすけさん こんばんは。
あー・・・。本のタイトル。
教えたいよー、でも ダメだー。
自分のblogにも書いたんですけど
自分より先に読まれてしまうと 何だか悔しく
思ってしまうんです。
(レノすけさんに限らず)
レノすけさんが 読みたいと思うかどうかなんて分からないのですから そんな気にしても
しょうがないのにね。
もしも・・・って思ってしまうんです。
誰かと この著者について話したいなーとは
思っているので 自分が この著者、本の内容について 少しでも知識がついたら
間違いなく 宣伝するでしょう(笑)
ごめんなさい。
対当に話せない自分がいることに 気付いているからこそ 変にこだわるんでしょうね。
そうそう、私も出会いだと思います。
でも、もっと早く出会ってればなー、はぁ。
リンク ありがとうございました。
私の方も 近々 リンク貼らせていただきますね。私は とにかく パソ音痴ですので
旦那に お願いすることになると 今ってわけにはいかないので^^
また 確認がてら カキコしにきて下さい。
投稿: ゆうちこ | 2006年4月11日 (火) 02:24
なるほど。よく分かりました。もう訊きませんね^^また何時か教えて下さい。
しかし本でも映画でも何でもそうだと思うのですけれど、予備知識ゼロの状態というか、自分にとっての手垢の付いてない状態というか、そういう状態で取り組むのが一番面白くてワクワクしますよね。何か、ひとつひとつ征服していくような感じ。表現が変かもしれないけれど。
よくいるじゃないですか、自分が観に行った映画のことを詳しく話す人。話したくて仕方がないんですねこういう人は。それでいて人の話を聞かないのねこういう人は。だから聞かされる側の気持ちに立てないんでしょうねえ。
まあ、お互いがもう既に観終わった後なら色々議論も交わせるのですけれど、そうでない場合いたたまれない気持ちになりますよね。それはまさに拷問です。
そして(これが最悪なんですけれど)その映画が自分も絶対に観に行きたかった映画だったりした日にはその人に呪いをかけてやろうかとすら思ってしまうのは僕だけでしょうか。
あと、本はやっぱり出会いですよね。
でも時にどうしようもない下らない本に出会ってしまって即ゴミ箱行き(文字通り。そんな時は腹が立って捨ててしまうの^^;)になってしまうこともありますが。
投稿: レノすけ | 2006年4月12日 (水) 01:10