暗闇での闘争
出発時間が早かったので途中車内で運転しながらコンビニで購入したサンドイッチと缶コーヒーという朝ごはんセットを食べたのである。
で現場に到着して一息つくと途端に来たのである。ところてんのようだ。
「ちょっと、行ってくるわ」とメンバーに声をかけてそそくさと約束の地に向かう。
しかし、約束の地はヤワじゃなかったのである。どこを探しても電灯のスイッチが無かったのだ。察するにまだ開店前で恐らく元から照明関係の電源が落ちていたのだと思われる。
仕方なく僕は携帯電話の待ち受け画面から発せられるか弱い明かりを頼りに一歩一歩、歩を進める。事態はかなりの切迫状況だ。一刻の猶予も許されない。衝動との闘争だ。
程なく何とか約束のドアに辿りつき、入室する。一番手前のその部屋は、あいにく和室(和式)であった。
もうあとは事を済ませるだけだから頼りの携帯を上着のポケットに仕舞う。ここまで来たら何とかなる筈だ。
手探りで四方の壁を触る。意外と広いぞ。ゆったり個室だ。さすが全国チェーンのショッピングモ-ルは一味違う。
上着を脱ぐ。邪魔になるからだ。こういうところはドアの上の方に引っ掛けるヤツがついている筈だ。で探す。あれ?ない。ないぞ。どこに上着引っ掛ければいいのよさ。で仕方なく床に置く(涙)
それにしても真っ暗だ。冗談抜きに何も見えない。
ズボンも脱ぐ。当然だ。事態は緊急を要している。限界がもう近い。
だがそこからが真の問題だったのだ。
全くの暗闇というものほど人間にとって不安なものは無い。
発作的なわけの分からない恐怖に見舞われた僕はさっきポケットに仕舞った携帯を探そうとする。上着を脱ぎ捨てた辺りに手を伸ばす。何故か空振る。真っ暗闇で距離感が全く鈍ってしまったようだ。そういえばここ意外と広かったんだ。
その上衝動は情け容赦なく僕を急襲する。携帯は諦める。だが失敗は断じて許されない。
でも何しろ何にも見えない真の闇の中にいるのだから目を開けてようが閉じてようが全く区別が無い。むしろ開けている方が何かが見えているような気がして混乱してくる。ならば目を閉じて感覚一本勝負だ。自分を信じるのだ。
僕の唯一の気がかりは、モノがちゃんと器に収まるかどうかであった。
真っ暗闇の中でその一連の作業を済ませたという経験は人生初のことであった。
飽くなき闘争心というか止むに止まれぬ衝動を抱えている時には人は思わぬ力を発揮するものなのだ。
いろんな意味で大きな仕事を終えた後、全ての時間的制約から解放された僕は携帯の明かりで最終確認をする。
結果は、若干のOBを除き良好だった。
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コメント
レノすけさん こんばんは。
失礼ですが 笑いながら読んでしまいました。
しかし、凄まじい闘いでしたね〜。
ほんとーに お疲れさまでした(笑)
この記事に書くというのも不思議な感じがしますが
レノすけさんのブログは メインになる単語を
あげなくてもしっかり伝わる・・・というか
想像を膨らまさせてくれる力強い文章力ですよね。
そんなことを今回のものを含め よく思っています。
早く体調が戻るといいですね。
お大事にしてください^^
投稿: ゆうちこ | 2006年12月26日 (火) 03:39
ゆうちこさん
こんな駄文に勿体無いお言葉、ありがとうございます。
いや、その…結構ウ○コネタが最近続いたので上げようかどうしようか迷ったんですけど、やっぱりこの体験だけは誰かに聞いて貰いたいという訳のわからない情熱が湧き上がってきまして。上梓した次第です(笑)
この体験には実は後日談(というか直後談)があって、電灯の点いていない約束の場所は絶対に立ち入り禁止だったようなのです。下手したら不審者と間違われて(いや、僕自身かなり不審だったとは自覚していますが)警備員にことの途中で連行されてトッチメラレタ可能性もあったわけです。知らぬが仏とはこのことですね~。
投稿: レノすけ | 2006年12月28日 (木) 12:30
今年最後の挨拶を・・・と思ってblogをのぞいたら・・・。
実は私もにたような体験があるんです。。。
しかも現場は「和」でした。
ズボンのことも気にしなくちゃならないので大変でしたよ^^;
私の結果はドンピシャでした。^^v
・・・てキタナい話題ですみません。
某県某市より、よいお年を・・・。
投稿: ふくちゃん | 2006年12月31日 (日) 20:43
ふくちゃん、よいお年を(笑)
投稿: レノすけ | 2006年12月31日 (日) 21:25