ひなまつり
子供は、作詞する。
うちの子も例外ではない。する(笑)
灯りをつけましょぼっこりに
お花をあげましょ桃の花
五人囃子の明太子
今日はたのしいひなまつり
大きくなるにつれて、ボキャブラリーも飛躍的に増えていく。その充実振りたるや目を見張るほどである。
昨日喋らなかったことが今日喋れている。驚異だ。
育児は難しい。
三つ子の魂百まで という。
子供が数えで三歳になるまでに覚えたり体験したことは生涯消えることなく、いろんな意味で(それはいい意味でも悪い意味でも)基本的な人格形成に影響を及ぼす という意味と僕は解釈している。
自身の体験を通して言えば、おおにしてこの時期は非常に忙しい。毎日がジェットコースターに乗っている様なものだった。あっという間に娘たちの三つ子の時期など通り過ぎてしまったような感である。
だが僕は彼女らに出来うる限り目一杯の愛情を注いだつもりでいる。
彼女らは4歳になるが、保育園にも幼稚園にも行かせていない。妻が毎日見てくれている。それにはまあ、色んな事情があるわけだけれども。
普通はこの年代になると大抵が園に通わせる。そこで社会性や協調性を育ませたいというのも親側のひとつの理由であろう。
でもうちはそうしないでいる。
近所の幼稚園が定期的に園を開放しており、その日だけは園に通っていない子供も自由に園内に入れて貰える機会がある。不定期であるがカウンセラーが育児相談も受け付けてくれている。
以前、妻がカウンセラーの方に質問したそうだ。
「うちの子はもう4歳になるのですが、保育園にも幼稚園にも行かせてあげてません。これはこの子らにとって実際のところどうなんでしょうか」 と。
カウンセラーの方の回答は明快だった。
「それが一番です」
「色んな事情のご家庭があります。生活を支えるために両親が共働きであったりするとどうしてもお子さんを預けなければならない状況になります。0歳から預けるご家庭も珍しくありません。
「ですが子供の心身の発育、特に心の部分で見るとこれは決して良いとはいえません。子供が一番親の愛情を必要としている時に親(特にお母さん)が『現実的に』近くに居ないということは決して良い影響を与えません。
「確かに同年代の子供達に混じって社会性を育むことは必要です。ですがこれは小学校に入る一年前でも充分に間に合います。
「ですから可能であれば出来る限り園に入れず、近くに居れる環境を作ってあげることが一番なんです。」
その日僕が帰宅するなり嬉しそうに妻がこう言った。
「うちは間違ってなかったんだよ」 と。
そんな妻を僕は誇らしいと思った。
ボキャブラリーも増えて、これからどんどんまともな会話をする機会が増えてくる。
同時に言葉で言ってもわからないこともきっと増えてくるだろう。行動で示すしかないことも。
だがそんな時のためにこそ、こんな風にひなまつりの飾り物を前に目をキラキラ輝かせているこの子らの姿を、僕は目に焼き付けておきたい。
心に焼き付けておきたい。
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コメント
ご無沙汰しております~!
良い話ですねぇ~。
これほど愛されている娘さんたちは、問題なく真直ぐに育ってくれるでしょう。ご心配なく!
これからも愛情をたっぷり注いであげて下さいね!
投稿: ダイスケ | 2008年2月28日 (木) 14:42
ダイスケさん
ありがとうございます。
いやいや、カッコイイこと書いてますが、子供に対して大人げなくもつい感情的になったり、マジギレしたり(笑)でその度自己嫌悪に陥ったり。格闘の毎日です。ホントに育児とは育自と思いますね。
しかし言葉の使い方も上手くなって、大人の僕にも度々立ち直れない程のダメージを効果的に与えてくれます。中でも一番堪えるのは
「もうパパなんかキライ!」
コレですわ…。
投稿: レノすけ | 2008年2月29日 (金) 13:44