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2008年6月25日 (水)

初夏の夜の夢

今夜、やっと約束を果たせた。娘らとの。
いや、約束とはいえそれ以上に自分が楽しみにしていたのかも知れない。


「今日、行くぞ」 と仕事帰りに妻に連絡を入れる。
「ン。わかった。途中まで車で迎えに行く」 と妻は応えてくれる。
その後いつもの如く電話が回される。
「行くの?!ヤッタ!」「早く帰ってきなさい」 と次々に受話器から娘らの嬌声が聞こえる。

実は数日前に一度トライしていたのである。ところがその日は見事な失敗に終わった。
何故なら雨が降っていたからだ。根本的に間違っている。
しかも出発する直前にネットでチョチョッと適当に調べ、大体の当たりをつけて無計画に向かうという若干突っ走った感もあった。
今日はそのリベンジともいえる夜となる。会社の先輩から有力な情報も仕入れた。今日を逃せば明日はない。


桑名市内から片道小一時間。
車中で夕食代わりのお弁当を食べながら約束の地へ。
目指すは三重県藤原町のいなべ市立立田小学校

ところで本当にこんな所に小学校あるのか?周り真っ暗だし何もない。
ナビを頼りに程なくして現場に到着する。時刻は20時半。
駐車場が結構埋まっている。ナンバープレートを見ると「名古屋」とか書いてある。うーん?うちと一緒な訳か?

幾人かとすれ違う。すれ違いざま「一杯見れたね」とか聞こえる。期待が高まる。
だがそれ以外人の気配が全くない。さっきの駐車場の車の持ち主達は何処に?
校舎の裏の方からボソボソと声が聞こえる。子供の手を引き近づいてみることにする。
しかしとにかく真っ暗だ。外灯というものがない。足元がちょっと危ない。
話し声の主は小学生の少年だった。真っ暗闇の中先生と話していたようだ。小学生?この時間に?
声をかけてみる。「どこで見れますか?」
彼はしっかりした口調で答えてくれた。「あっちの林のほうに人工川があります。体育館の裏手です。そこへ行けば見れます」
「ありがとう」 とお辞儀をして家族四人でそこへ向かう。ついに、ここまで来た。


「どこだろう?こっちかな?」 と娘達と話していた時に何か光るものが視界の隅を横切った。
錯覚かと思いきやそうではなかった。暗闇に目を凝らしてみる。
その幻想的な光景に、その美しい舞に、僕はただただ立ち尽くしてしまった。
娘達はその光に負けないくらい、目を輝かせている。

大体が前に見たのは今からもう25年前、高校一年生の時のことだ。
当時の記憶なんていい加減なものだからその時どんな風に見えたかどんな舞い方をしていたのか完全に忘れてしまっている。


それにしてもこの世にはこんなにも美しいものがあるんだ。
本当に、夢のような光景だった。
この美しさを言葉にすることは出来ない。心に焼き付けるしかない。


ほんの少しでもいい。
今日この日に体験した何かが残って欲しいと願うばかりである。娘達の心の中に。

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