序文について。血迷ったかと誰しも思う。(エピソード1)
5年以上前に書いて、そのままアップするのを忘れていた記事を上げます。
いわゆるひとつの未発表作品(笑)となります。
それではどうぞ♬
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今日、会社の先輩と昼休みにこんな会話をした。
この先輩と僕とは音楽や文学の好みが似通っており、よくマニアックな話題で盛り上がったりする。話の上手い先輩だ。
「ダイチャン(僕の事だ)さ、〇〇のMさんって知っとる?」
「ええ、知ってますよ。社長さんでしたっけ?」
「うん、まあ今は会長なんだけどね」
「ああそうですか」
とまあこんな感じである。
先輩は続ける。
「でさ、そのM会長にさ、昨日会ったんだわ」
「ええ」
「そしたら会長がさ、これがまた唐突なんだけど、"私の半生"みたいなテーマで自叙伝を書いたらしくてさ、近いうち自費出版するらしいんだよね」
「へぇ~」
ここまではまあ、よくある話である。
件のM会長には僕は一度しかお目にかかった事はないが、その業界では結構名の通った有力者で、大御所とも言うべき人物である。
で先輩は続ける。
「それでさ、会長せっかく初めての自叙伝を出すんだから序文を誰かに書いて貰おうと思ったみたいでさ」
「ふんふん」
「それでさ、その序文をさ、MHに頼もうとしたらしいんだわ」
「!」
MH?
そう。あの、MHである。
更に先輩は続ける。
「それでさ、会長さ、『お前MH知っとるか?』って俺に聞くんだわ」
「!(笑)」
「俺ビックリしてさ(笑)、会長に言ったったんだわ。『MHって言ったら、****賞の候補に毎回なるくらいのベストセラー作家ですよね?そりゃ知ってますよ』ってね」
「ふんふん(笑)」
「そしたら会長『何だ知っとるんか、あいつそんなに有名なんか』みたいな感じでさ(笑)笑っちゃうだろ?でも冗談にしても突拍子もなさすぎて俺笑っていいもんか分からんくなっちゃってさ(笑)」
「ハハハッ」
ところが、である。
この辺から話は途端に急展開を見せるのである。
更に更に先輩は続ける。
「そしたら会長さ、電話かけたって言うんだわ」
「?」
「MHに」
「…!?!!!」
ここまで話して流石に先輩、この会長どうやら冗談言っとるわけじゃなさそうだと気付き、そして思ったそうだ。
(このオッサン、遂にイッちゃったか?)
と。
(続く)
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