映画・テレビ面

2010年2月28日 (日)

彼氏が逝ったヤァヤァヤァ

今朝のこと。

天寿を全うし、彼は逝ってしまった。


以前より兆候はあった。

しかしその度。
妻のハンドパワーとも言うべき打撃による蘇生術か若しくはぼくの気合いを込めたカメハメ波的なエネルギー波の照射により幾度となく危機を脱していたのだが、今回はもう流石に最早是迄進退窮まるという段階であった。
仮にここで幾許か持ち堪えたとして、残された時間はあと僅かであることだけは紛れもない事実だった。

思い返せばぼくが初めて親元を離れ、一人暮らしを始めた時のこと。25歳初頭の頃だ。
先立つものが乏しかったぼくを出世払いという約束でお袋に一部援助して貰い家財道具一式を買い揃えた時のこと。

憧れの一人暮らし。
自分の部屋で、誰に気兼ねすることなく自由を謳歌出来ると信じて疑わなかったあの頃。
自分専用の彼を持つことが出来たことが何よりも嬉しかったのを覚えている。


ここにいたるまで彼には何度煮え湯を飲まされたか。
映画やドラマで断じて欠かすことの出来ないシーンに限って突然上下の幅が約2mm程に圧縮され他は真っ黒という状況になる。
その上、全体の全てが2mm幅に凝縮されているためその2mmは光り輝く光の帯と化しているのである。


長年連れ添ったその彼が、今朝、逝った。
最後の灯火であったその2mmの光り輝く帯ですらもう発光することも無くなるまでよく働いてくれた。


ありがとう。
25インチのブラウン管くんよ。


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※2006年9月に上げ忘れていた記事を発見しましたのでアップします。
もう来年には地上波デジタルに全て移行する今日現在においてこんな内容は今更どうでもいいことなのですが。
でもまあここまで書いておいて上げないのも惜しい気がしたので(笑)根が貧乏性なのでしょう。特に他意はありません。

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2008年8月17日 (日)

ポニョ

ポーニョポーニョポニョを観てきた。
強力なリクエストが入ったので。チビ達から。

毎日、毎日、リクエストが入った。「行く?ポニョ。今日行く?明日行く?」…毎日である。
で「よーし明日行こう。ポニョ行こう」
で観てきた。家族で。
だがホントは自分も観たかったのだ。実を言うと。


チビ達にとっては初めての映画館での観劇である。だから若干不安はあった。果たして2時間近く持つだろうかと。集中力と辛抱が。チビ等の。
だが結果心配には及ばなかった。ちゃんと持ち堪えてくれた。途中一回のトイレ休憩を除けば。…僕の(笑)

でポニョは実に面白かった。
だが人魚姫の話である。果たしてハッピーエンドとなるのか?
とまあ大人のそんな邪推はチビ達にはどうでも良いわけで、目の前の大スクリーンに映るポニョや個性的なキャラクターが生き生きと動いている様を見つめるその目は本当にキラキラ輝いていた。
そんなチビ等を横目で見てその姿にジーンときてしまった親バカな次第である。


でポニョは実に面白かった。
主人公のポニョと宗介の二人は5歳であり、そしてそれはうちのチビ達が間もなく迎える年齢である。
この映画を”本当の意味でリアルタイムで”観ることの出来る彼女らがちょっと羨ましかった。

物語の中の色んなシーンで笑い、驚き、そして一緒に歌うことの出来るその瑞々しい感性を、出来る事なら忘れないでいて欲しいと思う。生涯。この子達に。



歌は、デモヴァージョンの方が断然、良い。その声の余りの愛らしさに思わずケータイの着信音にもしてしまった(笑)
そして多くの人がそうであるように、気を抜くと頭の中で鳴ってしまうのが難点ではある。

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2008年7月11日 (金)

奇跡のシンフォニー

奥さんを誘って映画を観に行った。


こういう場合、チビたちには内緒だ。当然のごとく。
まだ大人の映画を観るにはちょっと早い。悪いけどゴメンね。
そんなわけでじいちゃんばあちゃんの全面的協力のもと、パパとママはとっても大事な用事があるからちょっと出かけてくるからね、今日はじいちゃんばあちゃんとねんねするんだよ、という寸法だ。その代わり帰りにお土産を買ってくるからと約束をすることになるのではあるが。

最近は上のチビ(双子のお姉ちゃんの方)などめっぽう知恵がついてきて、かなりの推理力と洞察力を持ち始めている。侮れないのである。
一夜明けた翌朝、チビ姉の第一声はこうだった。
「ねえパパ、昨日大事な用事って言ってたでしょ。なのになんで草履で行ったの?ダメじゃない!ちゃんと靴履いて行きなさい」
我ながら迂闊ではあったが、どうせ映画観るならリラックスして観たいからさ。幾らなんでも軽い気持ちで履いて行った草履のことを指摘されるとは夢にも思わなかったので正直、面食らった。
こやつ、出来る。


で映画。
ワーナーマイカル桑名のレイトショーを観に行った。レイトショー、安いし空いてるからね。ゆっくり出来る。

誰でもそうなのかも知れないが、これは、これだけはスクリーンで観なきゃいけない、という映画が年何本かある。
この映画は観る前からまさにそうだと確信できる映画だった。
しかもこれは一人で観ちゃいけない。恋人か、夫婦か、そういう関係の二人で観なきゃならない映画なのだ。
ということで奥さんに頼み込んで無理やり家事やら育児の合間をこじ開け夫婦で時間を創り、観に行った。


329926view002で映画。

素晴らしかった。映画を観てこれほど全身に何度も鳥肌が立ったのは久しぶりでした。
内容には触れません。

物語もさることながら、最初から最後まで全編を通して流れる音楽の素晴らしさ。これだけはその場に行って体験するしかありません。
とにかく心地よかった。まるで映画全体がひとつの音楽になっているようです。
それにしてもクラッシックとロックがここまで見事な調和を保っている映画なんてそうは無いのでは。

またストーリーについては、全てを素直に受け入れることが何より大切なのだと思いました。
なんせ「奇跡」なのですから!

ありえないなんて思ってしまうようならばその人はきっと何か大事なものを知らない内に何処かに置いてきたまま大人になってしまったんだなと推して知るべし。きついようだがそうとも思ってしまう。そのくらいピュアな映画。


帰りに妻と話す。
それにしてもこれ以上ない邦題をつけたね、と。

確かに。
原題(AUGUST RUSH)のままでは知らない人にはさっぱり意味が解らない(笑)
英語的には何かの含みがあるのでしょうか?


あ、で、サントラも即Amazonで購入しちゃいました(笑)
それくらい音楽が良かったんです。
多分、音を聴いただけでいろんなシーンが蘇ってきて、またジーンとしちゃうんだろうなあ。


もう一回観に行きたい、と本気で思える映画。
おすすめです。

(7/12追記)
サントラですが、予想に違わずこれもまた良いです。そうそう、これはあのシーンだ、と映像が目に浮かんできます。

またアコースティックギターが物凄くかっこよくて、まさに故マイケル・ヘッジス御大そのものサウンドという感じ。押尾コータローなんかが好きな人にも堪らないかも。
タッピング奏法というかなんというか弾くというか叩くというかあのギターの音を出しているのは女性ギタリストのカーキ・キングさんというお方によるものらしいのですが、はぁ、女性だったなんて。凄すぎる。
また手の部分が大写しになる実際の映画の中の映像もこのお方によるものだそうです。これも驚きですねえ。

ロック面の音源のプロデュースはジョン・レノンやビリー・ジョエルやジュリアン・レノンを手掛けたあの大御所フィル・ラモーン氏とのこと。道理で音がいかしてるわけだ。

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2007年9月 2日 (日)

ALL BY MYSELF

15年前。
あるテレビCMで流れていた歌に触れて以来、それがどんな歌なのか必死に探した経験がある。

スポンサーである製造メーカーに直接問い合わせようかと思い詰めたほどである。さもなくばレコード屋に行くかラジオ局に電話をかけて「フフーンフーンフン」などと口ずさんでその曲の正体を教えてもらおうかとも考えたりもした。マジで。
でもまあ別に無理せずともいずれ自然な形で知ることになるだろう、と思ってはいた。何らかの形で。


その頃はウィンドウズ95すら存在しておらずインターネットのイの字も知らなかった古き佳き時代。
手がかりは耳に残る「ホーバーマァイセルヘェ」というフレーズのみ。
辛うじてコードは聞き取れた。E→G#m7→D6/C#7→F#m/Am・B7onC…。D6が物凄く効いている。
でも曲名が分からないでは話にならない…。
知りたい。一体誰が歌っているんだ。


歌に対して一目惚れという言い方は変だが、揺さぶられたのである。
コードに、メロディーに、そして声に。また鳥の目線からの空撮の映像も素晴らしかった。


そのCM期間が終わってしまってからもその映像や音や声は僕の目と耳にいつまでも残り、色褪せるどころか輝きを増し続けた。
だがそれ以来どうしてもその歌に巡り合うことが出来なかった。手がかりのかけらも無いまま時間だけが流れた。


そして何年か経った後のこと。
車の運転中、ラジオから突然その歌が流れた。

心の準備も何も出来ていない全くの無防備な状態で、出し抜けに僕はその歌に晒されてしまったのだ。
運転中にも関わらず、僕は不覚にも流れ出る涙をどうしても止めることが出来なかった。


今という時代は、便利で恵まれている。
良いか悪いかは別として。


いとも簡単にこうして再びその映像と音に触れることが出来るのだから。

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2006年9月 9日 (土)

無臭でチョレた

リヴァプールでデビュー前のビートルズを知っていたコアなファンというかグルーピーの人達の気持ちが解ったような気がした。


いつかメジャーになるに違いない、なって欲しい。でも自分達だけが知っているという優越感に似たものを持っていたい、それでいて全国の人に知って貰いたい。だけどメジャーになることでメディアの食い物にだけはなって欲しくない。

特定のアーティストの本当のファンとはこういった何とも微妙な気持ちを持つに違いないのだろう。光り輝く金剛石というものは、例えそれがドブやゴミ箱の中に在ったとしてもその本質は変わらないし、変わるはずのないものなのだ。本物であるが故に。


本当の意味でのあなたの地元のファン(というか応援団?)の方達から比べれば、ぼくなどいちファンとしては思い切り新参者でこんなことを憚りもせず述べることなど図々しいも甚だしいことなのかも知れない。
でもぼくはあのオンエアの日に完全にノックアウトされてしまってから気持ちの上ではコアなファンを自認しているのです。

そう。
ぼくはあなたに「夢中で惚れた」一人なのです。


あなたには一度も会ったことなどないのだけれど、念願が叶ったことをぼくはまず心から嬉しく思っているし、そしていつまでもそのままで居て欲しいと心の底から思っています。
でも放映を見る限り大丈夫と思いました。やっぱりあなたはどこにいてもあなただ。「無作」という言葉があなたほど相応しい人はもしや居ないのかもしれません。
こうなったら今年の流行語大賞を狙うのもひとつの手かもしれないぞ(笑)


兎に角、つんくと共演という念願叶ってまずはおめでとうと言わせて下さい。よかったねえ。幸ちゃん


Wikipedia

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2006年7月28日 (金)

変態で一致

散髪に行く。

音楽好きの同年代の店長のいる馴染みの美容院である。ここの店長、歳が近けりゃ聴いてた音楽もほぼ同じという塩梅である。だから話も合う。カットとカラーで大体二時間、話題は常に音楽か子供の話である。
今日はというか今日も軽めのヨン様カットを依頼した。夏だから超軽めのヨン様にと。そんなヨン様は知らないと言われた。髪型は本題とは全く関係がない。


今日の議題は、最終的にプリンスのことになった。

あの傑作というか怪作、映画「パープルレイン」をやはりこの人も観ていた。
僕が劇中意外とプリンスがマッチョなんだと思ったと感想を洩らすと店長はそんなとこは特に注意して観てないし気にもしなかったと言う。内容をロクに覚えていない僕の記憶はピンポイント過ぎたようだ。僕はプリンスのタンクトップから覗く二の腕の太さが一番印象に残っている。店長は店を追われた女の子のことが一番気がかりだったようだ。ストーリーについての記憶が完全に欠落している僕には何のことを言っているのかよく分からなかった。

音楽的には店長は「バットマン」から徐々にプリンスから離れていってしまったようだ。
だから最新作を店長は聴いていなかった。「3121」はかつてのプリンスらしさが見え隠れしてて良いよと僕は勧めた。

でその映画の主題歌というかメインテーマとなっている「Purple rain」。
これは間違いなく名曲であり且つカッコイイ曲である。それは意見が一致した。
だが曲中いきなり突然飛び出す“I know, I know, I know”という部分は一体どう捉えたらいいのかということについて色々討議したが、最終的な結論として彼は変態だということで意見の一致をみた。彼にしてみれば東洋の島国から海を越えて変態呼ばわりされる筋合いは無い筈ではあるが。
そして今後いつかどこかでこのビデオなりDVDを観たら即感想を再び討議し合おうと約して店を後にした。
Pr

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2006年7月20日 (木)

CROSSROADS

こないだ南蛮屋へ行ってから僕の中でBluesが再熱してしまっているんだなあ。


その時一緒に行った同行の連れから次の課題曲ということでmp3で送られてきた音源を今しがた聴き始めたところである。
AerosmithのStop Messin’ Aroundという曲である。
これがまた。もうダメだ。
こんな真夜中だというのにギターが弾きたくて仕方がなくなってくる(笑)


もう15年以上も昔になろうか。
僕は生活の全てがブルース一色に塗り替えられていた時期があった。
寝ても覚めてもブルース。言ってみれば延々と繰り返される単純な12小節の3コードブルースに完全に取り憑かれてしまっていたのであった。
それはあるビデオを偶然観てしまったことに端を発する。


それはブルースの神様といわれるロバート・ジョンソンの同名の曲からストーリーを展開して創り上げられた音楽好きなかんずくブルース好きなら絶対に避けては通れない必見の映画のひとつだ。
ラストのギターバトルのシーンにはかのスティーヴ・ヴァイ本人が出演しているという何とも例えようがない程思い出すだけでヨダレが垂れてきてしまう僕ぁ大好きな大好きな映画なのである。
主演のベスト・キッドのラルフ・マッチオが実際にギターを弾いているかどうかはさておき(笑)
それにしてもレコーディングしているロバート・ジョンソンがあそこまでリアルに描かれている映画は他には無いんじゃないだろか。


何を書いているのかそして何を言いたいのか訳がわからなくなってきたがとにかく今はドランキング・ブルースなのだ(笑)

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2006年6月30日 (金)

どうしてもだめなもの

閉店間際、深夜の書店に入る。


何故かふと子供のことが脳裏をよぎる。安らかな寝息をたてている姿を想像する。
だからといってでは決してないが、無意識に絵本のコーナーに向かう。


一冊の絵本を手に取ってしまう。背表紙のタイトルが目に入った瞬間のこと。
それはアニメーション映画で有名なものだった。

出来れば、紐解きたくない。
でも、抗えない。


やっぱりだめだった。
堪えることが出来なかった。


深夜の書店で、一人でポロポロ泣いてしまう。

Htrnhk1

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2006年5月 8日 (月)

衝撃映像

Mrsharanq先日探偵ナイトスクープを何気なく観ていた時にこの衝撃に出会い僕は深夜にも関わらず腹がよじれた。死ぬかと思った。

元はNHKのど自慢の岐阜大会に出場しその存在を全国にアピールしたという幸ちゃん。僕が知らなかっただけで既にネット上では熱狂的ファンの間で確固たる地位を築いていたようである。
その幸ちゃんの途方もなく独創的唱法と、聴く者の何かを激しく揺さぶりそしてザワつかせるその歌声は他の追従を決して許さない。

それが自称なのか定かでない「養老町の星」の肩書きを持つMr. Shalan Qこと「無臭でチョレた」幸ちゃん。


この愛すべき人物は僕の家から割と遠くない所にお住まいであるようで、機会さえあれば是非ともライブで聴いてみたいと久々に心の底から思わせてくれたアーティストなのである。


【養老町の星 幸ちゃん】

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2006年1月28日 (土)

人聞きが悪い

何でもオウム返しに真似をするうちのチビすけ達。


先日久しぶりにゆっくり晩ご飯を食べながらテレビを見ていた時のこと。
たまたまついていた番組がTVチャンピオンだった。
何やら秋葉系か何か僕にはよく分からないがフィギュアの彫刻師みたいな見るからにそっち系の人たちが凌ぎを削っていた。

「これってアレか? あのー、萌えか?」と僕は妻に聞く。
「はぁ~、こ~れは、萌えだね」と妻は答える。


最初はチラチラと斜めに画面を見ていたのだが気付いた時には釘付けになっていた。
これは・・・どうやら芸術の域に到達しているぞ。

ボディスーツやメイド系の衣服にに撚る皺のくびれ具合やその下に在る生身の肉体を想起させる着色テクニック、鏡に映るチラリズム、その全てが艶かしい程の存在感を演出していた。
これは・・・何なんだ。あのー、えーと。
もしこれが目の前にあったら僕は買うかもしれないぞ。
えー、一応僕の名誉にかけて誓ってお断りしておきますが僕は決してそっち系ではないので念のため。一応ね。
まあそんな感じでテレビを夫婦で食い入るように観ていた。夫婦でです。僕だけじゃありませんので念のため。


するとそれを見ていた上のチビが「もえ~もえ~?これ、もえ~?」とテレビを指さす。
うん。そうだね。間違いないね。これは萌えだね。
更に下のチビもそれを見てキタ━(゚∀゚)━!って感じでテレビに駆け寄り「もえ~もえ~?」と追従する。
その後延々ときゃっきゃきゃっきゃ言いながら二人で「もえ~もえ~」と言い続ける。


あのー・・・。

チミら頼むからお外でそんなこと言い出さないでね。
まるでパパにそういう趣味があっていつもそうやって言ってるみたいじゃんね?


しかし・・・貰えるんだったらこれ、欲しい。
いや、買ってもいい。
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